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勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし

2018/12/05(水)

『 勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし。 』
 掲題は、江戸時代後期の平戸藩主
 松浦静山(まつらせいざん)の言葉です。

 元プロ野球選手・監督であり
 現在野球解説者の野村克也さんが使った言葉として
 ご存じの方も多いのではないでしょうか?

 ■ 地上10階建ての建物を設計図なしに作るとどうなるか?
 └────────────────────────────────

 2階建てぐらいの住宅なら、
 ベテランの大工さんであれば、頭の中にある設計図だけで 
 ある程度まで建てることができるかもしれません。

 しかし、10階建ての建物を設計図なしに建てるとなると
 それができるのは限られた天才だけではないでしょうか?

 私はこの31年間
 数々の経営支援の現場でたくさんのことを教えていただきました。
 
 それは
 「プロは緻密さを欠いて成功を得ようとはしない。
  それができるのは天才だけであり、
  緻密な仕事こそがプロの仕事である。」
 ということです。

 日米で数々の記録を打ち立てたイチロー選手。
 彼のプロとしての努力を見ると
 超一流の選手でもあんなに努力をしているのですから
 一流の経営者や、最高の技術を提供する技術者など
 その道のプロを志す人はこの姿勢を学ぶべきです。


 ■ 人生・仕事を豊かにする『人生方程式』
 └───────────────────────────

 かの有名な実業家、稲盛和夫氏は『人生方程式』として
  ───────────────────────────────
   人生・仕事の結果 = 考え方×熱意×能力 
  ───────────────────────────────
 と仰っています。

 私は、この方程式に幾度となく救われました。
 もちろん「熱意」「能力」も大事ですが
 一番大事なのは初めにある「考え方」です。

 また、これまでに出会った若手経営者や
 先代を早くに亡くされた後継者の方から教わったことは
  ───────────────────────
   人生・仕事の結果 = 覚悟×場数  
  ───────────────────────
 ということです。

 「場数」が多い程、経験を積めることには違いありませんが
 さらに大事なのは「覚悟」であり
 最後は「覚悟」の差が成果の差に表れます。

 置かれている状況は変わらなくても
 覚悟次第でその位置を変えることができるのではないでしょうか。


 ■ 勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし
 └───────────────────────────────

 計数が苦手、数字が読めない……。
 これでは経営者になれません。

 生産性管理・業績管理ができない……。
 これでは管理者になれません。

 部下の心を掴み、時にはその人を想って厳しく指導する……。
 これができなくて良い上司と言えるでしょうか?

 「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし。」

 負ける時は、負けにつながる必然的な要因があるものです。
 つまり、負けるような練習しかしていないから、負けるのです。

 自分への戒めも含め、皆様にも贈ります。

 その道のプロとして、またプロを志す人として、
 ただ勝つことだけを目指すのではなく、
 負けないための練習・訓練を自ら実践し、
 その大切さを後進に繋いでいってほしいと切に思います。


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【ゴーン・ショック】

2018/11/27(火)

┌───────────────────────────────
│                               
│   ゴーン・ショック ~企業の不正はなぜ起きるのか?~

│ ------------------------------------------------------------

 先週飛び込んできた、カルロス・ゴーン氏の逮捕というニュース。
 経営者なら誰しもが驚いた出来事ではなかったでしょうか?

 経営再建に成功した経営者としてあまりに有名であり、
 彼に関する群書は、その多くが参考になる内容でもありました。

 有価証券報告書の虚偽記載──。
 その真相は今後の捜査の進展を待たなければなりませんが、
 日産自動車に不正が行える環境があったということは確かなことでしょう。


■ 不正発生のメカニズム
└────────────

 組織コンサルタントの川口雅裕氏が
 不正の要因を探る文章を書かれているのを拝見しました。

 出所:INSIGHT NOW!(2010年8月26日公開)
   「悪いコトをする人がいない組織」を作るための3つの視点


 同氏は
 「不正は『動機』『機会』『正当化』の3つが揃った時に起こる。」と
 おっしゃっています。

 ----------------------------------------------------------

  普通のやり方や自分達の力量では到底出来ないような
  難しい問題や高い目標が課せられた状態に置かれると、
  不正をはたらく動機が生まれます。

  次に、誰にも見られない場があったり、
  チェックされない、バレないような状況があったりすると、
  その不正な行いを実行することができる機会が生まれます。

  最後に、不正だと分っていても
  「他にもやっている人がいるはずだ」
  「昔から、やられてきたことだ」
  「これ以外に方法はない」
  「これくらい大したことではない」といった理由をつけ、
  不正な行いの実行を正当化して、
  初めて不正が起こる……というわけです。

 ----------------------------------------------------------

 上記不正の3つの要因を、
 今回の有価証券報告書の虚偽記載事件に
 当てはめていくと下記のようになります。

 例えば、グローバル企業となった日産自動車において、
 ゴーン氏の役員報酬と日本の上場企業の役員報酬基準との
 ズレが明確になってきたという状況があったとします。

 グローバル企業の会長が本来もらうべき報酬が
 欲しいとは思うが、株主の目もあり到底無理だ……。

 その時
 「どうにかしてより多くの報酬をもらいたい。」
 という『動機』が生まれます。

 次に、
 誰にも知られることなく報酬を上げる方法があり、
 それをチェックされることもないという『機会』があり、

 さらに
 「報酬にふさわしい仕事をしているのだから当然の権利だ。」
 「ほかの企業だって、少しくらい違法手段を使っているに違いない。」
 といった『正当化』の心理が働いて、不正が現実に実行されるのです。


■ 不正を防ぐには
└─────────

 では、不正を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?
 川口氏はこのようにおっしゃっています。

 ----------------------------------------------------------

 このように3つが揃ったときに不正が行われるということは、
 言い換えると、不正を防ぐには
 どれか1つを消せばいいということでもあります(中略)

 ----------------------------------------------------------

 加えて 

 ----------------------------------------------------------

 コンプライアンスに関する講座において
 私が「それでは3つのうち、どれに着目しますか?」と
 問いかけますと、ほとんどの人は『機会』と回答されます。

 不正をはたらく機会を与えないこと、管理の強化こそが重要だ。
 そのためには、業務を進める手順を細かにルール化し、
 これを監視・チェックする体制を作り、
 報告の義務付けや監査の実施といった
 仕組みにせざるを得ないという発想です。

 これももちろん一つのアプローチではありますが、
 現場の自由や付加価値時間を奪ってしまう、
 何か起こるたびにルールや仕組みが追加されていく、
 しまいにはルール通りにやることを目的にした仕事ぶりが横行する、
 といった弊害もよくある話で、
 このような管理・マネジメントに
 疲れきっている現場の皆さんも多いことだと思います。

 実際にコンプライアンスが組織のテーマとなると、
 「機会」に視点が集中し、
 ルールとチェックに終始しまうような会社が非常に多く、
 それが収益性の向上や組織の活性化に
 逆行しているのは分っているけれども、
 不正を防ぐためには仕方がない……と
 諦めているというのが大方の今の状況と言っていいでしょう。

 ------------------------------------------------------

 だからこそ『動機』や『正当化』にも
 着目してみることが大切であると同氏は説きます。

 今回の事件においても、
 自動車会社として世界第2位のグローバル企業の経営トップとして、
 仕事の質・量と処遇のバランスがとれていたのか?という視点で
 考えてみる必要があるでしょう。

 当然、法令違反を行ったのであれば許されることではありませんが、
 そもそも不正に至った『動機』を検証せねば、
 問題の根本的な解決にはなりません。

 
 日産自動車のホームページに掲げられている
 ガバナンスに関する方針を読んでみると、
 透明性・倫理観・コンプライアンスといった言葉が盛り込まれています。

 非常に重要であることは間違いありませんし、
 その意識を組織・社員に浸透させていくことは、
 企業の不祥事が相次いでいる昨今、
 企業経営に不可欠な要素と言えるでしょう。

 しかしながら、今回のゴーン氏の一件を鑑みると、
 いかに考え方や行動規範の浸透が難しいかを改めて認識させられます。

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新企画「学びの場」

2018/11/13(火)

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┃   時 間  各回14:00~17:00
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 めっきり冬の気配になってきましたね。

 2018年も残りあと1ヶ月となり、
 そろそろ「来年は~」と計画や準備を始められる企業様も
 少なくないことと思います。

 新しい年のことを考えるこれからの時期に
 一緒に「会社の将来」も考えてみてはいかがでしょうか?

 これまでにも、当メルマガの中でさまざまな角度から
 事業承継にまつわる情報発信をして参りましたが

 その大切さは理解しつつも眼前の課題に手一杯であったり
、そもそも「うちの会社の場合は具体的にどうすれば?」という
 入り口の悩みをお持ちの方が多いようです。

 今号では、そんな皆様のお悩み解決や未来づくりに向け
  「肩肘張らずに、ざっくばらんに」学べる勉強会のお誘いです。

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┃ │12月7日(金)   │成功する事業承継/失敗する事業承継(1)
┃ │ 14~17時    │実務に学ぶ!事業承継税制(1)    
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┃ │1月18日(金)   │成功する事業承継/失敗する事業承継(2)
┃ │ 14~17時    │実務に学ぶ!事業承継税制(2)     
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┃ │2月8日(金)    │これでばっちり!事業承継計画(1)
┃ │ 14~17時    │後継者育成の「ずばり“極意”」(1)  
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┃ │3月8日(金)    │これでばっちり!事業承継計画(2)
┃ │ 14~17時    │後継者育成の「ずばり“極意”」(2)  
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民事信託の事例:続・社長/山田太郎の場合

2018/09/26(水)

 相続・事業承継におけるトラブルを回避するには、
 遺言作成のような事前準備が必須になりますが、
 今回は、【社長/山田太郎】の事例を用いながら、
 「もし、後継者が決まらなかったら?」のケースで有益な
 【民事信託】という選択肢についてお伝えします。

■ 社長「山田太郎」の背景
└──────────────────


 <親族それぞれの想い>────────────────

  花子……太郎の経営(やり方)を後継者にも継いでほしい

  浩一……太郎の会社を手伝っている
  桃子……姑(花子)との仲がよくない

  浩二……太郎の会社とは全く関係ない企業に勤務

  ───────────────────────────

 【山田太郎の財産】総額2億2,000万円 =======
   
  ・自社株式  100株(5,000万円相当)
  ・自宅    (5,000万円相当)
  ・収益不動産 (8,000万円相当)
  ・預貯金   (4,000万円相当)
      
  ※相続税のことは考慮せず

  ==========================

 
 長男の浩一が社長を継いだ際のトラブルを回避すべく、
 仮に次男の浩二を社長として株を譲ったとしても、
 浩二には現在子供がいないため、
 将来的に会社の株が第三者に渡ってしまうリスクが発生します。

 また「浩一か、浩二か……。」と後継者を絞りきれないまま、
 太郎が認知症など、正常な判断ができない状態になって
 経営に携われなくなるというリスクも考えられます。

 そんな時に検討したいのが【民事信託】という選択肢です。


 ■(例)一般社団法人の設立
 └─────────────

 本事例では、太郎に合計2億2,000万円と
 多額の個人資産があるため、一般社団法人を設立します。
 そして、太郎と一般社団法人で信託契約を結びます。

 会社の事業承継がメインのため事例では
 自社株式100株(5,000万円相当)のみを社団法人に信託しますが、
 民事信託であればもちろん自社株式以外の財産も
 信託財産に付すことができます。

 │委託者:太郎│受託者:社団│受益者:太郎│

 設立当初の一般社団法人の構成員(社員)は、
 太郎・花子・浩一・浩二が最も信頼する会社の部下が良いでしょう。

 そうすると万が一、
 太郎が認知症になって業務を行えなくなったとしても、
 議決権は一般社団法人にあるため、
 一般社団法人が取締役・監査役などを決め、
 取締役達が代表取締役を決められるため業務は遅滞しません。

 また、認知症にならず太郎が死亡した場合でも、
 信託が終わらないようにしておけば自社株式は相続財産にならず、
 株主である一般社団法人は、
 株主総会で役員を補充・選定することができるため、
 業務はそのまま継続できます。

 (あまり考えたくないことかとは思いますが)
 このように、自分に万が一のことがあった場合も、
 民事信託を活用しておけば
 会社の歩みを止めることを防ぐことができます。


 ■(例)受益者連続型信託
 └────────────

 民事信託は、将来にわたる株式分散を防ぐ手段としても有効です。

 仮に、浩一ではなく浩二が後継者に相応しいと考え直した場合も、
 自社株式は株主である一般社団法人のものなので、
 妻の千代に株が渡り分散するようなこともありません。

 そしてその場合、

  1)最初の受益者が太郎
  ↓
  2)太郎が死亡したら浩二を受益者に
  ↓
  3)浩二が死亡し、その時に浩二に子供がいて
    後継者に相応しいのであれば、浩二の子に。
    浩二に子供がいない、
    または相応しくない場合は浩太に。

 ……というように、
 設定時には現存していない子や孫を含めて、
 予め数代先まで受益者を決めることができます。


 いかがでしょうか?
 民事信託は、他にも様々な使い方があります。
 また今回は取り上げていませんが、
 実際には相続税との絡みなどもあるかと思います。

保険料の生前給付

2018/09/18(火)

 皆様も生命保険に加入されていると思いますが、
 今回は生命保険の中でも、
 生きているうちに給付が可能な保険についてお伝えします。

 生前給付型保険といえば、
 病気・怪我で入院した際、手術した場合に支払われる『医療保険』、
 がんに罹患した際、診断時や入院・手術時に支払われる『がん保険』などが
 身近なものではないでしょうか。

 その他にも『三大疾病保険』や『生前給付保険』などがあります。
 

 ■『三大疾病保険』
 └───────────

 この保険は『特定疾病保険』と呼ばれることもあり、
 【がん】【急性心筋梗塞】【脳卒中】により、
 所定の事由に該当した時に支払われる保険です。

 がん保険の診断給付金のように、
 初期治療の段階でまとまった保険金を
 受け取れるので治療に専念できます。

 よく、
 「死なないと保険金が出ない」
 「入院給付金と手術給付金だけでは少ない」といった声を聞きますが、
 この保険は三大疾病に罹患した際、一時金を受け取ることができます。


 ■ いつもらえるのか?
 └─────────────

 <給付要件(保険会社によって異なります)>
  
 (1)がん(悪性新生物)
   
    ・初めて診断確定されたとき
 ─────────────────────────────────────────
 (2)急性心筋梗塞

    ・60日以上、労働制限状態が継続したと医師に診断されたとき
 ─────────────────────────────────────────
 (3)脳卒中

    ・60日以上、言語障害・運動失調・麻痺などの
     神経学的後遺症が継続したと医師に診断されたとき


 また、この三大疾病保険は、
 一時金などとは別途、死亡時には死亡保険金が給付されます。

 生存中に給付となる『三大疾病保険』を
 『医療保険』や『がん保険』とあわせて準備しておくことも、
 個人の生活などを守る上で必要かと思います。

 ただし、保険料は普通の死亡保険よりは高めのため、
 収入や予算に応じて加入することが大切です。

 この『三大疾病保険』、
 【急性心筋梗塞】や【脳卒中】では、
 手術を受けた場合にも給付されるものなど保障内容にバリエーションがあり、
 各保険会社が特色を出しています。
 いろいろ比較した上で加入することが大切です。
 

デジタル時代だからこそアナログが大切

2018/09/11(火)

◆ 現代の「三種の神器」
└────────────

 昨今、デジタル・テクノロジーのメリットを
 最大限活用した社会に向け、
 世の中がものすごいスピードで変化しています。

 かつて、世にパソコンが普及し始めた当時は、
 ワープロ・表計算・データベースが
 三種の神器と言われていましたが、
 第4次産業革命が叫ばれる現代では、
 IoT・ビッグデータ・AIが新たな三種の神器と呼ばれています。

 特にAIはあらゆる業界で活用が急速に進んでおり、
 AIという言葉を聞かない日は 
 無いと言っても過言ではありません。

 
 少子高齢化が急速に進み、
 人口減少・市場縮小時代に突入した日本において
 業務の効率化・省力化は経営の至上命題であり、
 その解として新たな三種の神器を活用した
 サービスや商品が続々と誕生しています。


 その中でも特に注目を浴びているのが、
 採用・育成・評価・配置といった人事領域での
 テクノロジー活用「HRテック」です。

 AIやビッグデータの活用によって、
 人事担当者の作業時間や手間を減らすことはもちろん、
 企業や職種とマッチング度合いが高く、
 将来性の高い人材をピックアップすることもできます。

 長期的な採用難・人手不足が叫ばれる昨今、
 有望な人的資源を確保することは企業の死活問題であり、
 HRテックに問題解決の糸口となることが期待されています。

◆ デジタル時代だからこそアナログが大切
└────────────────────

 デジタル化の波は止めようがありませんが、
 すべてがデジタルに置き換わるかと言うと、
 そのような社会は非実現的であることは想像に難くありません。

 アナログでなくては見出せない・伝わらない価値も存在します。

 デジタルは極めて有効・有能ですが、
 商品・サービスの優劣や金額が比較しやすいだけに、
 すぐに他社への乗り換えを検討されるリスクが生じます。

 市場が拡大している状況であれば挽回も可能かもしれませんが、
 市場縮小時代に突入した今、
 デジタルのみの企業経営ではリスクが生じます。

 今後生き残っていく企業に必要なことは、
 デジタル一辺倒ではなく、
 アナログも活かした経営を行っていくことではないでしょうか。

一流の中堅社員・リーダーの育て方

2018/09/04(火)

 皆様の会社の中堅社員・リーダーは、
 自身の役割と求められている姿勢をしっかり理解されていますか?

 最近、中堅社員・リーダー向けの研修のご要望が多く、
 私もクライアント企業の研修に講師登壇する機会が増えてまいりました。

 中堅社員・リーダーの動きが悪い、危機感が足りない……など、
 さまざまな悩みがあると思いますが、
 まずは“何を求めているか・期待しているか”を伝えることから
 始めてみてはいかがでしょうか。

 その“中堅社員・リーダーとして会社から求められている責任”を
 簡単に説明すると、以下のようにまとめることができます。


 ■────────────────────■
   中堅社員・リーダーの立場と責任とは?
 ■────────────────────■


【1】方針・目標の正しい理解と部下への浸透
 └────────────────────
 会社全体の方針・目標を正しく理解して、正しく部下に伝えることです。


【2】担当職務目標の達成
 └───────────
 担当する職務目標を100%達成することが大前提だとの
 認識を持つことが重要です。
 自身の役割を完遂していない人間が
 人を巻き込むことはできません。


【3】専門知識・技能の習得
 └────────────
 担当している職務の専門知識・専門技術を習得し、
 常にスキルアップを行う姿勢を見せることです。


【4】問題解決の実践
 └─────────
 自身の業務はもとより、関連するあらゆることにわたって、
 常に問題意識・創意工夫を行う思考を持つことが大切です。
 問題解決ができる人は
 問題発見能力・解決策立案能力・解決策遂行能力の
 3つの能力を有しています。


【5】後輩の指導
 └───────
 仕事の内容を教える指導力だけでなく、
 特に求められることが“基本動作をしつける指導力”です。
 基本動作が指導できない中堅社員・リーダーに技能の指導はできません。

 ◇基本動作とは◇
 挨拶・時間管理・標準を守る・報連相・5Sの徹底などを指し、
 安全・品質・納期・コストなど職場目標を達成する基盤となるものです。
 これらの基盤(体質)が確立されない状況では、
 職場目標の達成は非常に難しいでしょう。


【6】周囲への積極的な働きかけ
 └──────────────
 例えば製造業の会社でいえば、仕事は前後工程と密接につながっています。
 生産活動をスムーズに展開するために他部署との連携が求められます。
 この連携のためには現場の中堅社員・リーダーが
 積極的に情報の共有化を進めていく必要があります。
 コミュニケーション・報連相は周囲へ 
 気遣いができるか、できないかのバロメーターです。


【7】チームワークを大切にする
 └──────────────
 組織全体が目標を目指して常に前進し続けていくためには
 一人ひとりの能力を十分に発揮していくことが大切です。
 そのためにもチームワークの精神を持つことが重要です。
 重要なポイントは一人で進めるのではなく、
 “周囲を巻き込む意識を持つ”ことです。


【8】職場風土・自己啓発
 └───────────
 組織が全体の目標を効率的に達成していくためには、
 その組織全体が常に“イキイキ”としていなければなりません。
 常に建設的かつ前向きな雰囲気であることが肝心です。
 この雰囲気は一人ひとりが自発的に行動することによって
 創り上げられるものですが、特に中堅社員・リーダーの影響力は
 大きいということを自覚することです。


 上記をまとめると、中堅社員・リーダーに期待される行動としては以下となります。

 ┌────────────────────────┐
 ★中堅社員・リーダーに求められる基本的な行動とは?★
 └────────────────────────┘

 ■上司の意見に対して積極的な理解を示す(目的を共有する)
 ─────────────────────────────────
 ■自分の担当職務目標は達成する(作業を遂行するのは当然の責任)
 ─────────────────────────────────
 ■適時適切に後輩の指導をする(部下・後輩への気配り)
 ─────────────────────────────────
 ■同僚とは密接な連携を図る(円滑なコミュニケーション)
 ─────────────────────────────────
 ■常にチームワークを発揮する中心者としての役割をまっとうする
 ─────────────────────────────────
 ■組織全体に絶えず改善の目を向ける(改善意識)
 ─────────────────────────────────
 ■常にプラス(建設的)な行動を行う
  (できない理由を言う前にほかの方法を考える)
 ─────────────────────────────────
 ■その組織の実践的な役割を果たし、関係者を牽引する
 ─────────────────────────────────

 いかがでしょうか。

 役職はもらったけれど、何をすればよいのかわからない……
 という中堅社員・リーダーがもしいたら、
 まずは会社が求めている姿勢を発信することから始めてみてください。


 縁のあった社員を一流に育て上げるか、
 三流で終わらせてしまうかは環境(会社)次第です。

 皆様にはぜひ、
 どこでも通用する人財を育てられる
 企業であっていただきたいと願っております。

Change!現状維持は衰退と同じ

2018/08/28(火)

 河合雅司氏の『未来の年表』という書籍を読みました。

 『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』
 (河合雅司/著・講談社)

 https://amzn.to/2Lypa4y

 この本には、これからの日本がどうなるか?という
 未来図が具体的に記載されています。

 例えば

  「2025年、ついに東京都も人口減少へ」
  「2033年、全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる」
  「2040年、自治体の半数が消える」
  

 といった、にわかには信じがたい内容が記されています。

 単に人が減り続けることへの警鐘ではなく、
 国がいくら少子高齢化対策を講じたとしても、
 人口減少・少子化を止めることは困難であり、
 移民を受け入れたとしても
 うまく調和を図るのは極めて難易度が高いという内容です。

 著者は
 「目指すべきは、人口激減後を見据えた
 コンパクトで効率的な国への作り替えである」として
 “戦略的に縮む”というコンセプトに基づき
 10の処方箋を示しています。

 例えば、過疎化した地方には居住を認めず、
 まとまった場所にコミュニティを作ることで
 医療・防災などの国の効率を上げるといったものです。
 実現の可否は別として、
 それぐらいのことをしなければ国家が成立しないという厳しい提言です。

 経営は「変化対応業」ともいわれますが、
 日本がこれだけのスピードで変わるのであれば、
 当然のことながら、そこで事業を営む企業も
 早いスピードでの変化が求められます。

 その変化に向けての一つのヒントが同書に記載されていた
 “戦略的に縮む”という観点です。
 特に資本力の乏しい中小企業においては
 高次元の“選択と集中”が必要となるでしょう。

  ・ベルギーワッフルに特化し坪数を劇的に抑えたワッフル専門店「マネケン」
  ・激辛を掲げて町おこしに成功した京都の向日市商店街

 どの分野で強みを見出すか? 
 そのためにすべきことは何か?

 限られた資金・人材の中でキラリと光る企業を作るためにも
 必要な観点だと感じます。
 ポイントは、今ある売上やお客様・市場が
 5年後無くなっていると想定して
 次々と新しい行動を起こし続けることです。


 弊社のセミナーでも「現状維持=衰退」とお伝えしています。
 昨日と同じ仕事を同じやり方でしていては給与は下がる時代なのです。

 中小企業では投資できる資本力にも限りがあります。
 
 今あるものに工夫を加えて利益・資金を増やす。
 経営者だけでなく役員・幹部は常にアンテナを張り、
 新しい事業のヒントを探し続ける必要があるのです。

経費の見直しと初心は、忘るべからず!

2018/08/22(水)

 ご縁をいただいた企業の支援をスタートする際、
 我々は最初に「現況調査」を行います。

 これは、人間でいえば健康診断・精密検査にあたるものですが、
 ここで行うことの一つに「経費の見直し」があります。

 まず「総勘定元帳」をご用意いただき、
 支払総額の多い経費から順に、
 見直し(削減)ができるかどうかを検討していきます。


 私は常々、経費は経営者ご自身に見直していただくことを推奨しています。
 5年前・10年前のデータと比較しながら行っていただくと尚良いです。

 もし、経営者になってから一度も経費を見直していない方や、
 「総勘定元帳って何?」という方がいらっしゃいましたら、
 ぜひ、すべての項目に目を通してみてください。
 (総勘定元帳の入手は経理担当者もしくは
  会計事務所の方に依頼しましょう。)

 膨大な資料となり、
 ひょっとすると目を通すだけで1時間以上かかるかもしれません。
 しかし、その時間でさまざまなことを振り返ることができます。

 下記のようなケースではとくに効果的です。

─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*
 
 <ケース1>売上は好調!しかし利益は……。
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 売上は前年比120%を超過しているものの、
 営業利益がまったく増えていない。

 売上を追い求める過程で、支出が想定以上にかさみ利益率が低下。
 営業利益がでない体質になっているケースです。

 経営者の経費に対する意識が低い場合に多く見られる傾向があり、
 このような場合は
 『手書きもしくは手入力での月次業績資料の作成』をおすすめします。

 私も入社間もない頃から、
 毎月ご支援先のB/S・P/L項目を
 すべて手入力して業績を把握しています。

 これを継続することで
 「自分自身で数字を触ることの大切さ」が実感できます。


 <ケース2>受注獲得・利益創出の苦労を知らない……。
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 受注獲得・利益創出の経験が少なく、
 苦労・大変さを理解していない故、
 経費に対する意識が低い……というケースもあります。

 仮に営業利益率1%の会社であれば、
 経費100万円は売上1億円に相当します。

 自社の利益率をもとに経費がいくらの売上に相当するか計算し、
 それを意識しながら自社の経費を一つひとつ見直すと、
 見えてくるもの・感じるものがあるはずです。


─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*


 今や経常利益率10%を超え、
 盤石な財務基盤・企業をつくり上げた経営者であっても、
 苦しい創業期を経て今があります。


 あたり前に数万円の領収書を経理に提出する。
 そうなってしまっていませんか?

 タクシーに乗ることすらためらっていたあの頃―。

 会社を創業し、資金繰りで奔走しながらも
 成長・発展させてくれた先代経営者や経営幹部。
 
 目標利益を達成させるために
 日々一生懸命頑張ってくれている社員・スタッフたち。

 応援してくれるお客様のこと。

 苦しい時も支えてくれた協力企業のこと。


 創業時や入社時の気持ちを思い出しながら、
 ぜひ「経費の見直し」を行ってみてください。

 初心に立ち返り、経営を見直す良いきっかけとなるかもしれません。


 
 <おすすめ参考図書>~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 『非常時の経費節減1240実例』
 (アクト経営問題研究グループ/著・中経出版)

  https://amzn.to/2Bw9GOS

資金改善:A社の事例

2018/08/07(火)

 企業経営の目的は「永続的に事業を継続させること」です。
 ゆえに、すべての企業にとって大切なことは「いかに資金を増やすか」です。
 しかし、多くの企業で思うように資金が増えていないのではないでしょうか?

 今回は、私が支援したある企業様の事例を紹介します。


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 A社は、某県で建築工事業(新築住宅・リフォーム・土木工事)を
 営む、業歴50年超の企業です。

 2代目社長が奥様(取締役経理部長)と10年以上経営してきましたが
 ここ数年連続赤字になっており、自己資本比率▲30%と、
 大幅に債務超過の状況でした。
 金融機関からも「これ以上の貸し付けはできません」と
 明言されてしまい、最後の望みとして、NBCへ支援を依頼されました。

 社長は元々、大工から経営者になった方で
 「腕に覚えはあるが、数字が嫌い」
 「商売が好きで、経営は嫌い」な、タイプでした。

 初めて先方へ訪問して、応接スペースで
 3名の役員(社長・奥様・専務)と面談した際には、

 (社長)「受注が上がらず、安値競争で粗利も取れない。
     営業強化の支援をお願いしたい。」

 (奥様)「自分がいい加減で数字に弱いから、
     業績が良くならないのかも。」
  
 (専務)「社員はみんな忙しくて、実行予算書なんか作っている暇はない。
     みんな一生懸命頑張っている。NBCさんに頼んだら、
     利益が出るのか?金の無駄じゃないか?」

 と、三者三様でした。

 その後、先方の会議にも出席しました。
 会議では前期の決算結果について、社長が資料もなしに漠然としたことを
 一方的に話しており、私の方から社員へ、結果を聞いてどのように感じたか
 意見を促したところ、

 (社員)「赤字が続いていると言われても、
     自分たちは与えられた現場を一生懸命やっている。
     赤字は社長の責任で、自分達は関係ないのではないか。」

 と椅子にふんぞり返って発言する始末。

 私は以下のようにA社の現状を結論づけました。

 「役員3人も社員も本来は真面目な方々だと思うが、
 考え方がバラバラでまったく一枚岩になっていない。」

 「会社の応接スペース含め事務所は非常に汚い。こんな会社にはお客様は
 寄り付かないな。社員は誰も挨拶しないし……。」

 「このようなあたり前のことも役員3人が指導できないから、
 業績が悪化し続けている。この会社の支援は役員3人との闘いだな。」


 その後、支援をスタートしたのですが、
 新しいことをやろうとすると、ことあるごとに
 役員3名からの反対や不安ばかりが出てきます。

 その度に「今のままでは会社は倒産する。それでもいいのか?」と
 説得し、掃除・後始末から始まり、考え方の統一、
 会社の仕組みまであらゆることを改革しました。

 特に建設業なので、原価実行予算管理と利益先行管理を徹底的に強化し、
 毎月業績管理がしっかりとできるようにしました。
 
 今までは、具体的な業績管理は全くできていませんでしたが、今回、
 管理(PDCA)をしっかり行ったことで、社員全員の業績に対する意識が
 非常に高まり「利益=自分達の給料・賞与の源泉だ」という認識を持つ
 ようにまでなってきました。

 その結果…… 

 A社の業績は急激に改善し、支援開始からの10年間で約1億円の資金を
 残せるまでになり、債務超過もすっかり解消されました。

 今では、金融機関からも高い評価を受け、運転資金はもちろんのこと、
 新規事業に向けた投資資金まで、
 前向きなお付き合いができる関係になっています。


 社長からは、

 「NBCさんに厳しい指導を受けて、最初は頭にきて腹が立ったことも
 多かったけど、頑張ってついてきてよかった。NBCさんをやめていたら、
 当社は本当に倒産していた。ありがとうございます。」

 とのコメントをいただきました。


~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

 経営改善(資金改善)において、
 自社だけで結果を出すことは難しいかもしれません。

 「人間は、変化を嫌う動物である」といいます。
 新しいことや、今までと異なる取り組みには抵抗を覚えるものです。

 しかし、
 悪化した状況や問題を放置して、
 自然に解決することなど、絶対にありません。


 今、何かお悩みを抱えていらっしゃるならば、ぜひ、お声がけください。

ドラマ『再生請負人』

2018/07/24(火)

 関東圏にお住まいの方には馴染み深い『テレビ東京』。

 ドラマ・ドキュメンタリー・バラエティーと、
 近年は独自路線による「テレ東らしさ」が感じられ、
 好んで視聴する方も多いのではないでしょうか?

 そのテレビ東京でこの夏、
 江上剛氏の経済小説(https://amzn.to/2LFX3kO
 をドラマ化した『ラストチャンス 再生請負人』がスタートしました。


…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+

 ドラマBiz『ラストチャンス 再生請負人』 <あらすじ>

 大手都市銀行に勤め第一線で活躍していた銀行マンが、
 長年勤めた銀行の財閥系銀行との合併を機に人生を見つめなおし、
 転職を決意。
 中華やイタリアンなど様々な業態を展開する飲食フランチャイズ企業
 「デリシャス・フード」のCFO(最高財務責任者)へ転身する。
 しかし「デリシャス・フード」の経営状態は芳しくなく、
 就任早々ピンチの連続に見舞われる事に......。
 元銀行マンが異業界で会社再建に奮闘する波乱万丈な日々を描く。

…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+…+


 私も仕事柄、テレビ東京の経済ドキュメンタリーは
 欠かさず視聴していますが、これまで同局のドラマを見続けることは
 あまりありませんでした。

 しかし、今回の『ラストチャンス 再生請負人』は、
 まさに我々コンサルタントの業務である“企業再生”が、
 そのまま表題となっていることと、
 恥ずかしながら“銀行出身のコメンテーター“としか
 認識していなかった江上氏の経済小説ドラマ化ということで興味をそそられました。

 第一話では、勤めていた銀行の合併を機に
 第二の人生に踏み出した主人公の樫村が、
 投資会社社長から投資先企業の再建を託されCFOに就任。
 さまざまなしがらみや感情が交錯する中
 「さぁこれから」というところで第二話へ……。


 最近では弊社においても、
 地方銀行の方や、中小企業再生支援協議会の方と共に
 “企業再生”という共通ミッションに向けて、
 クライアント様を合同で支援するケースが増えています。

 企業再生ノウハウはもちろんのこと、
 経営難の「体質」が蔓延した企業の再建をドラマではどう描くのか、
 また、我々コンサルタントが持つ
 「一社でも多くの企業・社長を倒産から救いたい」という
 その熱意をどう描いてくれるのか……非常に注目しています。

 ぜひ、皆様もご覧になってみてください!

クレーム対応は謝罪より感謝が効果的

2018/07/17(火)

 最近多くのご要望をいただき
 心理学的見地からのクレーム対応術研修を行っています。

 今回はその一部をご紹介します!

─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*
 
 アメリカの小売業では、
 毎年平均20%の顧客を失うといわれています。
 
 つまり、お客様の5人に1人は二度と利用してくれない……。
 なかなか厳しい数字です。

 それでは、お店に不満を抱いたお客様のうち
 その不満をクレームとしてお店に伝える方は、
 何%くらいだと思われますか?

 グッドマンの第一法則によると、
 答えは「4%」です。
 
 残りの96%のお客様は黙って店を去り、
 それだけではなく、さらに周囲の10人以上にそのお店の悪評を流すそうです。
 それを聞いた方がまた10人に話をすると……。

 これが、顧客離れ・客数減少を助長する原因なのです。

 ここから「顧客がクレームを言いやすい仕組み」と「問題の早期解決」が
 重要であることは理解いただけるでしょう。

 また、苦情を素早く・きちんと解決した場合は
 「誠意がある対応」と評価され、
 逆にお店のファンになる可能性が高くなります。

 下記は、クレーム対応のステップです。


 ◆苦情処理の6ステップ

 【1】 怒りや不満をすべて表現させる。
 ────────────────────────────────
 【2】 謝罪する。間違っても言い訳をしてはいけない。
 ────────────────────────────────
 【3】 客の苦情・怒りを理解したことを分からせ、
     かつ苦情を言ってくれたこと感謝を述べる。
 ────────────────────────────────
 【4】 顧客の立場に立って解決策を見つける。
 ────────────────────────────────
 【5】 機能的な解決策にプラスワンをする。
 ────────────────────────────────
 【6】 解決策が十分機能したかフォローアップする。
 ────────────────────────────────
             参考:ドラッグストア研究会ホームページ

─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*

 ここで注目したいのは【3】です。

 こちらの商品やサービス・対応の不備からクレームになった場合は、
 当然のことながら、まずは満足いただけなかったことに対しての
 深いお詫びが必要です。

 しかし、お詫びばかりでは
 「謝ってくるということは、間違いを認めているのだから
 こちらの要求も全部呑んでくれるんだな」と相手の要求が増大していきます。

 そこで、お詫びの言葉だけではなく、何かしらの感謝すべき点を見つけ
 「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えましょう。

 実は、感謝の言葉「ありがとう」には
 『反論しづらく、要求を増大させにくい』という効果があります。
 要求がエスカレートする前の早い段階で、感謝を伝えてみましょう。

 感謝すべき点は
 下記のように、探せば無数に見つかるはずです。

「お忙しい中、ご連絡いただきありがとうございます。」
「貴重なご指摘をいただきまして、ありがとうございます。」
「こちらの話も親身に聞いてくださり、ありがとうございます。」
「弊社の商品を購入してくださり、ありがとうございます。」
「冷静にお話しくださり、ありがとうございます。」
 
 ぜひ、一度試してみてください。

事業承継と真剣に向き合う~大幅改正・事業承継税制~

2018/07/10(火)

 FIFAワールドカップ、
 日本代表は惜しくもベスト16で敗退しましたが、
 非常に見応えのある試合内容であったと同時に、
 「世代交代」という4年後への課題も見えた試合でした。

 サッカー日本代表の世代交代の課題は、
 ある意味後継者問題に悩む中小企業に似ていると感じました。

 今回は、悩める中小企業の現状を少しでも解決すべく、
 平成30年に大幅に拡充された
 「事業承継税制」の活用について触れてみたいと思います。


■ 事業承継の現状
└─────────

 中小企業経営者の引退年齢は平均で70歳前後であり、
 今後5年程度で多くの中小企業が
 事業承継のタイミングを迎えるといわれています。

 しかし、後継者がいないという固定観念や
 進め方・現状についての認識不足などにより、
 事業承継の準備を先送りにしているのが
 多くの中小企業の実態ではないでしょうか?

 日本にとって最大の損失は、
 業績の良い会社、業績改善できる会社が
 これからも存続可能な状況にも関わらず
 廃業してしまうことです。

 そうならないためにも
 中小企業がこれまでの経営基盤を損なわないように、
 事業承継に向けた取り組みをスムーズに進めることが、
 経営者と後継者のみならず、
 日本のこれからを左右する重要な課題となっています。


■ これまでの事業承継への課題(財産面)
└───────────────────

 会社のオーナーは、
 会社の株式(自社株)という財産を持っています。

 自社株は非常に高い評価額となることが多く、
 承継の際に多額の相続税がかかってくる可能性があります。

 つまり、換金性が全くないにもかかわらず、
 多額の相続税を支払う必要が生じるということです。

 これまでの事業承継において、
 大きな価値の株式を大量に持ったまま、
 その会社のオーナーが亡くなってしまった場合、

 多額の相続税を支払うことができず、
 自社株をまとめて後継者に引継ぐことが
 できない状況にありました。

 これでは会社経営に大きな影響がでてしまいます。


■ 平成30年改正 事業承継税制の概要
└───────────────────

 事業承継税制を受けるための条件をクリアできれば、
 株式にかかる贈与税や相続税が、
 最終的に100%免除されます。

 わかりやすく言うと
 「中小企業が次世代に事業承継するのであれば、
 相続税や贈与税を大幅に減免する」という内容です。

 「何億円規模にもなる税金を免除してもいいから
 中小企業に頑張ってもらいたい」という
 政府の本気度が伝わってくる改正となっています。


 +─+─+─+─+─+─+
  主な改正の内容
 +─+─+─+─+─+─+

 1)緩和措置は平成30年1月1日から
   平成39年12月31日まで5年間の時限措置。

 2)納税猶予対象株式が3分の2から100%全部対象になった。

 3)猶予税額が80%から100%全額猶予になった。

 4)承継する側1名、承継を受ける側1名の1対1だったが、
   承継を受ける側が3名までカバーされることになった。

 5)雇用確保要件が、従業員の8割を5年間雇用
   (継続雇用できなければ猶予停止)だったが、
   支援機関を通じて申請すれば猶予を継続。

 6)承継後に廃業や事業譲渡したら猶予停止だったが、
   廃業や譲渡時の時価で税額を再計算して納税すればOK。


 +─+─+─+─+─+─+─+
  先代の経営者の要件
 +─+─+─+─+─+─+─+

 1)会社の代表者であったこと。

 2)贈与時に代表権を有していないこと。

 3)先代の経営者と同族の関係者で総議決権の50%以上を有し、
   かつ後継者を除く同族内で筆頭株主であること。
   ※先代の経営者以外の場合でも、すべての個人株主が適用対象。
    (親族・親族外は関係なし)


 +─+─+─+─+─+─+
  後継者の要件
 +─+─+─+─+─+─+

 1)会社の代表者であること。

 2)20歳以上で、役員就任から3年以上経過していること。

 3)後継者と同族の関係者で総議決権数の50%超を有し、
   かつ同族内で筆頭株主となること。(3名まで適用対象)


+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+─+


 ほかにも確認すべき要件やメリット・デメリットはありますが、
 まずは下記の2つを参考にしながら、
 後継者候補の選定や育成、会社の経営状態の把握、
 自社株評価、事業承継税制活用の検討、事業承継計画の作成など、
 事業承継に向けた取り組みを始めてみましょう!

 
 ▼ 中小企業庁「経営者のための事業承継マニュアル」
 http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/2017/170410shoukei.htm

 ▼ 平成30年5月に更新された、経済産業省「ローカルベンチマーク」
 http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

優秀な社員が辞めない会社~つくり方とその根幹

2018/07/03(火)

 6月18日朝、
 その日の午後、大阪で開催されるセミナーで講義をするために
 私は家を出ました。
 そして間もなく、大阪の北部に大きな地震が起きたことを知りました。

 2011年3月11日、
 奇しくも私は仙台で地震を経験しております。

 生きていくことは
 本当に大変なことだと感じております。

 今回は、私が以前講師を務めた
 経営セミナーでの講義の一部をご紹介します。

 「優秀な社員が辞めない会社づくり」というテーマです。


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 【社員がイキイキと働ける会社の条件とは?】

  

 1.実力主義
   →実績にもとづいて社員を評価する。
   ─────────────────────────
    ★おすすめ書籍★
    「マッキンゼー 経営の本質 意思と仕組み」
    (マービン・バウワー/著・ダイヤモンド社)

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 2.規律の文化を持つ 
   →第5水準の経営者(※)が
    継続性のある文化を築きあげる・積極的に守る。
   ─────────────────────────
    ※第5水準の経営者とは    
    個人としての謙虚さと職業人としてのとことんやり抜く
    野心の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、
    偉大さを持続できる企業を作り上げる。
    (「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 」より)

    ★おすすめ書籍★
    「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則 」
    (ジム・コリンズ/著・日経BP社)

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 3.人を育てる・環境に配慮する
   ─────────────────────────
    ★おすすめ書籍★
    「マネジメント[エッセンシャル版]― 基本と原則」
    (ピーター・F・ドラッカー/著・ダイヤモンド社)

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 社員がイキイキと働ける会社には
 「恐育」「強育」「脅育」「狂育」「鏡育」「凶育」などの
 間違った教育は存在せず、
 そこにあるのは、規律とそれを守り続ける姿勢です。

 このような条件を満たす会社であれば、
 優秀な社員も十分に実力を発揮することができるでしょう。
 

 以下は、コンサルティング歴31年の私がコンサルティングの現場で感じた
 「成長している会社・魅力あるリーダーのいる会社・
 優秀な人が辞めない会社」の共通点です。

  [1]目指すべき先輩がいる。
  [2]自分の成長を感じられる。
  [3]会社の仲間が好きだ。
  [4]やりたい仕事ができる。
  [5]自分を適正に評価してもらえる。
 
 注目したいのは[1][2][3]です。 
 当たり前なことですが、とても重要で
 いつの時代も変わらない項目です。

 次に[4]です。
 給与条件だけでみれば、創業期・成長期の会社は
 必ずしも高い給与が支給されるわけではありません。
 それでも「未来に希望を持っている」から続けられるのです。

 これまで知り合った、
 素晴らしいと思えるリーダーの方々から話を聞くと、
 皆さん「最初は給与が低かった」とおっしゃいます。

 最初に苦労があっても、
 仕事にやりがいを感じ、乗り越えたからこそ
 今があるということです。

 [5]の評価制度は、会社から社員へのメッセージです。
 
 『愛の反対は無関心』
  (―マザー・テレサの言葉)

 社員への愛・想いは、
 きちんと形やメッセージにして届けましょう。

 
 皆さん、
 ぜひ、優秀な社員が辞めない、
 未来に希望を持てる会社づくりを推進していきましょう!

部下と話せるサッカーと会計の話

2018/06/26(火)

 先日の日曜日の夜、
 FIFAワールドカップ(以降W杯)日本対セネガル戦を
 ご覧になった方々は、
 翌朝起きるのが大変つらかったのではないでしょうか。

 世間ではW杯の影響で
 「にわかサッカーファン」が増えているようですから、
 今回は【部下と話せるサッカーと会計に関わる知識】をご紹介します。

─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─ 


 経営者および経営幹部を務めているサッカーファンなら、
 クラブチームの会計に興味を持つ方も多いのではないでしょうか。

 例えば、クラブチームにとって最大の財産である
 選手の資産価値はどのように扱うのか……。
 皆様はご存じでしょうか?


 以前、2006年のW杯ドイツ大会で
 日本代表主将だった宮本恒靖氏の
 クラブチームの財務や会計に関する
 とても面白いコラムが日経新聞に掲載されていました。

 宮本氏は引退後に渡英し、
 国際サッカー連盟(FIFA)が運営する大学院
 「FIFAマスター」へ留学していました。
 ここでは財務会計も学びます。

 財務諸表の一つである貸借対照表(以降B/S)が
 資産と負債で構成されるのは一般の企業と同じですが、
 サッカーの場合、ユースチームからトップチームに昇格した
 生え抜きの選手はB/Sに計上されないというのです。

 その理由は『選手の金額が決まっていないから』。


 サッカー選手の価値を判断する指標の一つとして
 移籍金があります。

 かつて、クリスティアーノ・ロナウド選手が
 スペインのレアル・マドリードに移籍した際、
 元の所属先であるイングランドのマンチェスター・ユナイテッドに支払った
 約130億円という巨額の移籍金が話題となりました。

 選手を獲得したクラブは、
 元の所属先に支払った移籍金の金額を資産としてB/Sに計上し、
 契約年数で減価償却していきます。
 欧州サッカー界の会計では、この考え方が主流のようです。

 逆に、生え抜きの選手はどんなに活躍して
 スターになってもB/Sには計上されません。
 
 宮本氏も同紙で触れていますが、
 かつてのイタリア代表の守備の要、パオロ・マルディーニ元選手は
 イタリア1部リーグ(セリエA)のACミランでプレイしていましたが、
 ユースからの生え抜き選手であったため、
 B/Sに計上されることはありませんでした。


─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─*─ 


 では、一般企業では
 役員・社員の価値はどのようにあらわれるでしょうか?

 ご存じの通りB/Sには何も記録されません。

 サッカーのような移籍市場がないゆえ、
 その役員・社員の「金額(価値)」を
 客観的かつ正確にはかることができないためです。

 役員・社員に支払った役員報酬や給与・労務費は、
 損益計算書(以降P/L)で費用の部に計上されます。

 しかしこれは「御社の役員・社員には資産価値がない」
 ということではありません。

 財務諸表では、人的資産価値は表せないのです。

 □30万円の給与で、ご自身の給与の3倍稼ぎ会社に貢献する社員
 □30万円の給与で、ご自身の給与分しか会社に貢献しない社員

 P/L上は、どちらも各30万円の給与手当としか表示されません。

 自明の理ながら、
 自身の給与の3倍稼ぐ社員を多く抱えた会社の方が
 成長・発展していくわけですから、
 その部分を資産計上して社員の価値として表したいものです。
 しかし、あらわせないのが現在の会計基準です。


 だからこそ、
 財務諸表ではあらわせない人的資産価値を
 常に意識した経営をしなければなりません。

 本来、資産として計上できる社員を、
 会計上は表示できなくとも、
 表示されるべき「人財」とみなして
 社員の資産価値の向上を図らなければならないのです。


 サッカー選手を育成するように、
 皆さんの会社の社員も育成するのです。
 
 ……ということは、
 社長業は監督業ともいえるかもしれません。

                       

キーワードは『腹落ち!』

2018/06/12(火)

┏【1】KPI、OKR……最新手法が会社を変えるわけではない!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━∞

 人事評価制度の構築・運用のご支援をしておりますと、
 「目標管理に手を焼いている」という社長から
 多くのご相談をお寄せいただきます。

 社員の目標意識・達成行動を高めようと、
 KGIとKPI、OKR(Googleが取り入れている手法と
 して最近注目されています)、SMART……など、
 次々に出てくる新たな手法を試しているようです。

 いずれの手法を用いるにしても、
 成功する企業と失敗する企業に分かれます。
 今号ではそのポイントをお伝えします。


┏【2】「会社の未来が見えない」という意見に社長はガックリ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━∞

 人事評価制度構築の前に、社員の皆様にアンケートを取ると、
 次のような意見がよく出ます。

  * 会社の未来が見えない
  * 目標や計画は尻切れトンボに終わる
  * 会社の課題は理解しているが、自ら改善する風土がない

 社長は社員を集め、
 期初や下期のスタートに経営計画・目標の振り返りなどを
 行っているのに、なぜこうなるのでしょうか?


 それは……ズバリ!

 社員の「知っている」と、
 社長が求める「知っている」との間に
 ギャップがあるからです。
 

  [1]聞いている
  [2]理解している
  [3]納得している
  [4]共通認識がある
  [5]行動している
  [6]できている


 社長は、
 「知っている」=[5]行動している[6]できている を求めますが、

 社員は、
 「知っている」=[1]聞いている[2]理解している で
 留まっていることが多くあります。

 このような場合「納得」や「共通認識」まで
 高まっていないため他人事になっており、
 自主的に行動するものというより、
 指示があれば行動を起こすというケースが多くなります。


 最も重要なことは、
 
 ★いかに社員が【 腹落ち 】できるように巻き込むか
 
 ★(腹落ちしたら)社員が安心して行動できるように
  マネジメント層がいかに振舞うか

 ということです。


 ある企業のお話です。

 この企業の評価制度は四半期目標を立て、
 チームの目標達成のために個人目標を立て、
 チームと個人の達成度を評価する仕組みになっていました。

 しかしながら、全社目標と部門目標の繋がりの薄さ、
 それに伴い個人目標の内容とレベルに
 バラつきがあることが悩みでした。

 そこで、
 経営計画発表会を半日間で行い、
 前半は社長・部門長からの発表、
 後半は社員の腹落ちのためのグループワークを開催しました。

 すると、上司と部下との認識には驚くほどのずれが!
 それでは目標達成はおろか
 目標立案もできるはずがない……という状態でした。


 営業サイドは

  「何で〇〇の獲得が評価されないんですか?
   それが評価されないのならやる気が出ません!」

   →評価項目の漏れが達成意欲を阻害することも


 本部サイドは

  「調べるのに時間がかかります。
   ○○業務は現場でやってもらえないですか?」

   →法律が絡む業務のため、本来は現場任せにできない
   →本部社員の知識・スキル不足が問題の本質


 さて、このような状態から
 本来管理者には言いたくない本音を社員から引き出し、
 いかに解決に向かわせ、 
 共通目標の達成にベクトルを向けたのか……?


 その秘訣は"フレームワーク"と"グループワーク"にあります。

 ◆──────────────────────────────◆

  1.目標・計画を達成できない組織のメカニズムを知り

  2.目標・計画を達成させるためのディスカッションの方法を学び

  3.最も達成したくて、最も難しい課題にフォーカスし、
    最もやるべきことに短時間で集中

  4.次のフォローアップの日を決めて、
    解決策にコミュニケーションの頻度も組み込む

 ◆──────────────────────────────◆


 その場で解決できないことは

 「いつまでに決めるのか」
 「そのために最初のミーティングをいつ開くのか?」

 前向きな棚上げをしながら、
 テンポ良くディスカッションをすることが大事です。
 間延びはマイナス思考に繋がります。

法定相続の事例:社長/山田太郎の場合

2018/06/05(火)

 多くの経営者の悩みの種となっている事業承継。

 今回は、その継がせる形として「親族への承継」を選んだ
 社長/山田太郎の事例を用いて、
 これからの私達が留意すべき点をお伝えします。

■ 社長「山田太郎」の背景と親族の想い
└───────────────────

  太郎(社長)……長男にあとを継がせたい
  花子(妻)………太郎の経営(やり方)を後継者にも継いでほしい

  浩一(長男)……太郎の会社を手伝っている
  桃子(妻)………姑(花子)との仲がよくない
  浩太(孫)………未成年

  浩二(次男)……太郎の会社とは全く関係ない企業に勤務


 【山田太郎の財産】総額2億2,000万円 =======
   
  ・自社株式  100株(5,000万円相当)
  ・自宅    (5,000万円相当)
  ・収益不動産 (8,000万円相当)
  ・預貯金   (4,000万円相当)
      
  ※相続税のことは考慮せず

 ==========================

   
 太郎は常々、会社を手伝ってくれている長男の浩一に
 あとを継がせたいと思っていました。

 しかし、不幸は予測不能なもので、
 その想いを家族に告げることも、
 そのための対策(自社株の譲渡など)を講ずることもないまま、
 突然の病で亡くなってしまいました。


■「法定相続」
└──────

 遺族となった花子・浩一・浩二は、
 太郎の全ての財産を、 法定相続分通り平等に分けました。


 <自社株式の分配>─────

  花子 ---- 50株(1/2)
  浩一 ---- 25株(1/4)
  浩二 ---- 25株(1/4)

 ──────────────

 会社は、今まで手伝っていたということで、
 浩一が引き継ぎ社長になりました。


 さて、ここまでは特に問題がないように見えますが、
 例えばここに長男の嫁と姑の確執が
 絡むとどうなるでしょうか?


 【ケースA】花子……逆襲!?
 ┌────────────────────────────
 │
 │浩一の嫁である桃子は姑である花子を厭い、
 │何かと理由をつけては孫の浩太を
 │花子に会わせないようにしていました。 
 │
 │花子には、息子の浩一も桃子の味方をしているように感じられ、
 │不満は日ごとに募る一方でした。
 │
 │そこで花子は、次男の浩二を味方につけて
 │浩一を社長の座から引きずり下ろそうと目論みます。
 │
 │当事者である浩一が解任に反対しても、
 │取締役会設置会社であれば、
 │解任賛成2票:反対1票、
 │株主総会決議ならば、
 │賛成75票:反対25票で、
 │浩一の解任決議が成立します。
 │
 └──────────────────────────── 


 さすがにこれでは会社が崩壊してしまうので、
 怒り心頭の花子でも、ここまで極端な行動は取れません。
 

 しかし、次のような事態は十分考えられます。 


 【ケースB】浩一の経営は実現不可能!?
 ┌────────────────────────────
 │
 │会社を継いだ浩一は、
 │これからはIT化・国際化の時代だと考え、
 │事業内容の変更を決意します。
 │
 │そこで定款変更のため株主総会を開催しました。
 │
 │弟の浩二は浩一の想いに賛成してくれましたが、
 │先代である太郎のやり方を続けてほしい花子がこれに反対。
 │
 │結局、変更の要件を満たさず、
 │浩一の提案は否決されてしまいます。
 │
 └────────────────────────────


 いかがでしょうか?

 上記は極端な例ですが、
 太郎の想いを知らずに法定相続を選んだばかりに、 
 浩一は少数株主になり、
 今後ずっと筆頭株主となった花子にお伺いを立てながら
 会社を経営せざるをえない状況になってしまったのです。

 このように、法定相続にはリスクが伴うことも多いのです。


■「遺産分割」
└──────

 法定相続のリスクを回避する対策として遺産分割があります。
 うまくまとまればこれがベストです。

 会社を継続させるという意思のもと、
 浩一が自社株を100%相続してくれれば何の問題もありません。

 太郎の残した財産は総額2億2,000万円、
 浩一の法定相続分はその4分の1の5,500万円です。
 
 浩一に自社株を全て相続させると、
 残りの法定相続分は500万円になります。

 浩一がこれで納得すればいいのですが、
 例えば「株は少なくても良いから、他の物が欲しい」となった場合、
 株が分散してしまう恐れがあり、分散の割合が大きいと、
 前述の【ケースA】のようなことが生じる可能性が出てくるわけです。

 ゆえに、遺産分割も「まとまればベスト」な対策に過ぎず、
 我々経営者は、まとまらない場合も想定した上で
 対策を考えておかねばなりません。

 そこで、最近注目されているのが「遺言書」です。


■ 「遺言書」を書こう!
└───────────

 上記いずれのケースも、
 想いを告げすに亡くなってしまった太郎の意思は
 当然反映されていません。

 太郎にとってみれば、
 人生をかけて築き上げてきた会社の経営に、
 自分の意思を遺すことができないばかりか、

 遺族である妻や子供たちが自分の遺産をめぐり、
 あわや骨肉の争い……となってしまうことは、
 決して望んではいないはずです。
 

 そうなることを回避するためにも
 生前に自らの想いを「遺言書」として遺しておくべきなのです。


 後継者として、浩一に継いでもらいたいと考えていることや、
 妻の花子には生活が保障されるものをしっかり遺したい…など、
 「遺志」としてきちんと示しておくことで、
 会社経営のスムーズな承継も、遺族の紛争回避も可能になるのです。


 「終活」という言葉は随分社会的に認知されてきましたが、
 それでもまだ「遺言書」を遺すことに抵抗のある方は多いようです。

 しかし「遺言書」は、
 いわゆる今際の際に残す“遺書”とは異なるものです。
 一見同じように思える二つの言葉ですが、法律的な意味は全く違います。
 
 経営者ならば、ある意味「たしなみ」として遺しておきたいものです。

 
 NBC司法書士事務所では
 もちろん遺言書作成のサポートも行っております。
 ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談下さい。


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 ◆NBC司法書士事務所◆ http://www.shiho-yoshida.com/

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保険料改定から

2018/05/29(火)

 2016年1月から『マイナス金利政策』がスタートし、
 生命保険の保険料が値上げになったり、
 運用が追いつかず、販売停止になったりということがありました。


■ 保険会社の「予定利率」
└────────────────────────────

 皆様ご存知の通り、
 保険会社は契約者から預かった保険料を運用し、
 利益を出して、契約者に支払う保険金を確保します。

 保険会社の「予定利率」は、
 保険料を運用して見込む「利回り」のことで、
 運用が上手くいくと資金が増え、保険料を安くすることができます。

 逆に、運用が上手くいかなかった場合は、
 保険料を高くしなければ、保険会社の利益が減ることになります。

 厳密にはほかの参考指標も考慮して保険料が決まるのですが、
 やはり一番大きな影響を与えているのは「予定利率」です。


■ 2017年4月の標準利率引き下げ、そして2018年4月の保険料見直し
└────────────────────────────

 2017年4月、
 国は標準利率を「1%」から「0.25%」に引き下げました。

 この時値上がりした保険が、生命保険でも積立タイプといわれる
 「終身保険」「学資保険」「年金保険」「長期平準定期保険」などです。

 保険会社や加入年齢などによっても異なりますが、
 値上がり幅は約10~25%にもなりました。
 

 さらに2018年4月には、
 「医療保険」や「がん保険」の保険料が見直されました。
 
 この改定は、病気の治療方法や早期発見の技術進歩による
 「長寿化」の影響によるものでした。


■ 保険料の改定・見直しから見えること
└────────────────────────────

 ◇資産性のある保険は、運用としてはあまり期待できなくなった

 ◇保障としての保険は、安い保険料で保障が確保できる時代になった


 これまでに加入した資産性のある保険は、
 保険料や解約返戻金の戻りが悪くなっているため、
 見直す必要はないでしょう。
 そのまま、大切にしましょう。
 
 一方、掛け捨てなどの保障目的の保険は、
 見直してみることをおすすめします。


 年齢などによって、
 一部の保険では保険料が値下がりしているケースもありますが、
 もしかすると
 「一年前に加入した保険だけど、今加入し直したほうがお得!」
 という方もいるかもしれません。

 
 いずれにしても保険は、折に触れて「見直し」が必要です。

 医療保険やがん保険など、
 以前よりも内容が良く、保険料が安くなっているものもありますし、

 何より、保険料は月々にすると少額でも、
 累計すると決して安いものではありません。
 保険内容を確認するだけでも意味はあります。
 

 ぜひ、ご自宅に眠っている保険証券と設計書を
 引っ張り出して広げてみましょう。

ストック収益はありますか?

2018/05/22(火)

 最近、売上を伸ばしている、
 いわゆる「やり手社長」とのご縁を多くいただきます。
 
 各社とも黒字経営を維持しており、
 成長性という側面では申し分のない企業ばかりです。

 しかしながら、

 いずれも素晴らしい経営をされている一方、
 その売上の中身を拝見すると
 「フロー収益」に偏っている場合が少なくありません。

 「フロー収益」とは、
 何かを販売するたびに金銭を受け取る……というような、
 一回売り切りタイプの収益構造であり、
 継続的な収入が保証されていないことを意味します。

 この「フロー収益」に対して、
 「ストック収益」という言葉があります。

 「ストック収益」とは、
 継続的に積み上がっていくタイプの収益を意味し、
 安定性があり、将来的にも
 非常に強固な基盤となっていく性質を持ちます。

 短期的に見ると
 「フロー収益」のほうが金額も大きく、
 特に成長意欲の高い社長はここに焦点を置きがちです。

 しかし、地層のように積み上がった「ストック収益」は、
 派手さはないものの、景気が悪化したり本業の売上が落ちた場合にも
 会社を支えてくれるものです。

 私は常々、表面的な収益の追求だけではなく、
 「ストック収益」の重要性、さらに「収益の中身」が大事だということを
 お客様にアドバイスしています。


 我が国は今、
 消費税の増税や東京オリンピックといった大きなイベントを控えており、
 この先どのような経済状況となるかは不透明ですが

 「好況のあとには不況がやってくる」ということは
 歴史が証明しています。

 経営は「短距離走」ではなく、マラソンのような「長距離走」です。
 持つべき視点も、遠い未来のゴールに置かねばなりません。

 確かに、業績が悪化したときは、短期的に大きな売上が立つ
 「フロー収益」に力を入れざるをえなくなりますが、

 今、業績が好調と感じているのであれば、
 「ストック収益」がない、もしくはあっても金額が大きくない会社は、
 リスク管理の観点を持ち、また安定的な成長を見据え
 今のうちに「収益のストック化」に力を入れる必要があるでしょう。


 私自身も「ストック収益」をとても意識して経営を行っています。


 売上の金額だけではなく、中身がどのようなものになっているか、
 皆さんは意識されていますか?

 ぜひ、これを機に
 「ストック収益」を自社のKGI(重要目標達成指標)として
 設定されることを強くおすすめします。

「貨幣」とは?~現金決済好きな日本人にキャッシュレスは浸透するのか~

2018/05/15(火)

 加速度的に進む世の中のキャッシュレス化。

 特に小売・サービス業においては、
 決済手段に電子マネーやクレジットカードを導入されている企業も
 少なくないことと思います。

 今回は“現金決済好き”な日本人にキャッシュレスは浸透するのか?という
 観点から、貨幣の価値について考えてみたいと思います。 


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 かつて貨幣は、本位貨幣(本位金・銀貨)を指す言葉であり、
 貨幣そのものの価値が実質価値と等価である「正貨」といわれる物でした。

 その後、
 1971年のニクソン・ショックによって本位貨幣制度は崩壊し、
 管理通貨制度・変動相場制へと移行していきます。 
 そして、貨幣の信用の源泉は発行する国家へと変遷していきました。

「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」によれば

『通貨とは、
  貨幣及び日本銀行法の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。』
                         (同法2条3項)
 とされ、また

『貨幣の種類は、
  五百円、百円、五十円、十円、五円及び一円の六種類とする。』
                         (同法5条1項)
 と規定されていることから、
 硬貨が貨幣であり、紙幣は正確には日本銀行券ということになります。

 
 そして同法第7条により、
 貨幣は額面価格の20倍までに限り、強制通用が認められています。
 すなわち、支払いを受ける側は、貨幣の種類ごとに20枚までであれば
 受け取りを拒むことはできません。


 →例えば、12,000円の買い物をした際は、 
 五百円硬貨と百円硬貨の各20枚で支払うことが認められています。
 (21枚以上であっても、支払いを受ける側が拒否せず受け取るのは自由)
 
 小銭入れが重くならないように
 一生懸命財布から硬貨を出して支払いをしても、
 21枚以上は断わられても仕方ない、ということになります。


 このように、
 持ち歩くことに煩わしさを感じる場合もありますが、
 貨幣には以下のような重要な機能があります。


 ■価値の尺度機能
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 貨幣は、計量可能なモノ(財)の交換価値を客観的にあらわす尺度となります。 
 これによって異なるモノの価値を、同一の貨幣において
 比較ないし計算することができるのです。

 例えば、書籍20冊の価値とメロン1個の価値は、それぞれ貨幣で何枚分……
 といった比較が可能になり、価格を計算することができます。

 ■決済・交換機能
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 計量可能なモノを渡し、責務を決済する機能をいいます。
 共通に認められた価値である貨幣を介することで
 取引をスムーズに行うことができますが、

 貨幣を介さない等価交換においては、取引が成立する条件として、
 相手が自分の欲しいモノを持っていることと同時に、
 自分が相手の欲しいモノを持っていることが必要となってしまいます。

 ■価値の蓄蔵機能
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 例えば、モノとしてのリンゴ1個は
 腐敗すれば無くなってしまいますが、
 貨幣に換えておけば、
 将来新鮮なリンゴ1個を入手できる価値を蓄えておくことができます。
 
 「リンゴ1個の価値」を蓄蔵できるわけです。
 
 ただし、自由な取引のもとでは通貨価値ないし物価変動により、
 貨幣で入手できるモノの量は増減することがあります。
                     

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 いま話題の仮想通貨は、
 貨幣としての機能を有しています。

 そして、その信用の源泉は
 ブロックチェーンといわれる技術により成立しているものです。

 昔から現物志向の強い日本人が、
 電子マネーや仮想通貨を主要な貨幣として使用していくかどうかは未知数ですが、
 貨幣が長い歴史の中でその形を変えてきたとしても、
 そのものの本質は同じなのです。


 経営においてもそうですが、

 本質を見定め、必要に応じて使い分けることは
 何事においても肝要といえます。


 ちなみに、
 日本銀行券の流通量は100兆円を超え、
 日本のGDP約500兆円の20%に相当します。
 (金融施策としてのマネーサプライ増加によるインフレ誘導もありますが。)

 国際決済銀行が2016年に公表した統計によれば
 ユーロ圏10.6%、米国7.9%、英国3.7%ですから、
 他の主要国と比べても先進国の中では断トツです。


 私もご多分に漏れず、現金決済に安心感を抱くタイプですが、
 日本人が現金を持たずに生活する日が来るのは、
 まだまだ先のことになりそうです。

お問い合わせフォーム:わかりやすくお答えします。開業支援・税務戦略・経営相談等さまざまな業務を行っております。

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