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【毎晩21時過ぎまで社員に残業をさせている中小企業経営者の皆様へ】

2019/04/23(火)

 タイトルを読んでドキッとした中小企業経営者の皆様。

 「働き方改革関連法」のうち、
 【罰則付き】時間外労働の上限規制が
 2020年の4月から中小企業にも適用されます。

 1947年の「労働基準法」制定以来、約70年ぶりの大改革であり、
 中でも長時間労働や過労死の防止を目的に、
 あえて罰則を定めてまで時間外労働の上限規制や
 年次有給休暇の取得義務化を盛り込んだことが大きな特徴です。

 また、時間外労働の上限規制に違反した会社に対して
 「6ヶ月以下の懲役」または「30万円以下の罰金」が定められました。

 「法の不知はこれを許さず」という格言のとおり、
 これからは知らなかったでは済まされません。
 経営者という職業が懲役刑に科される可能性があるということを
 本当に心配しなくてはならない時代になりました。

 さらに、この罰則規定とともに効力を発揮しそうなのが、
 労働基準関係の法令違反をした企業名の公表制度です。

 公表制度の対象となるのは、
 悪質な違反を繰り返したり、労働基準監督署が書類送検した企業です。

 社会への啓発を目的とし厚生労働省が実施していますが、
 公表された企業は、当然社会的なイメージダウンは避けられません。

 この人手不足の時代に
 国からブラック企業の認定を受けたようなものです。 
 企業の存続すら危ぶまれることになりかねません。


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 では、この時間外労働の上限規制とはどのようなものなのでしょうか?

 そもそも「労働基準法」では時間外労働が原則禁止されており、
 「36協定(時間外・休日労働に関する協定届)」を締結して
 労働基準監督署へ提出して初めて
 「月45時間、年間360時間」の制限内で時間外労働が可能になります。

 しかしながら、今までこの制限は厚生労働大臣の告示にすぎず、
 たとえ上限を超えたとしても
 労働基準監督署の是正勧告(行政指導)の対象になるものの
 法律違反にはなりませんでした。

 また、「36協定」の例外として特別条項を定めれば、
 実質的に時間外労働の限度はなく
 事実上いくらでも残業をさせることができました。

 しかし、今回の法改正で時間外労働の上限が法制化され、
  
  1)年720時間以内
  2)単月100時間未満
  3)過去2~6ヶ月の平均がいずれも80時間以内
  4)特別条項の適用は年6回まで

 となりました。

 では、この法改正が2020年4月以降、
 どのような事態を中小企業経営にもたらすのか
 簡単な事例で考えてみましょう。


 たとえば、毎日8時間の法定労働に加えて、
 4時間の時間外労働を行っていた
 従業員数10名の製造業の会社をイメージしてみましょう。

 なお、この会社では1時間で1人1個の製品を完成・販売します。

 よって、1日の製品生産・販売量は120個となります。 
 12時間×10名=120時間 ⇒ 120個/日

 しかし、ここに労働時間の上限規制が適用されると、
 通年で毎日4時間の残業は不可となります。
 
 よって、残業を1時間削減すると、
 人件費が1時間分の約8%削減になるものの、
 1日の製品生産・販売量も約8%減の110個となります。

 11時間×10名=110時間 ⇒ 110個/日

 会社側は労働時間の減少にともない
 売上も減少するのは致し方なしと考えることはできますが、
 同時に生じる社員の人件費8%減が問題となります。

 中小企業の社員は残業代も含めた金額で生活設計しており
 「働く時間が削減されたのだから給与も下がって当たり前」とはなりません。
 最悪の場合、転職の容易さから人材流出を招きかねません。

 では、会社側はどうするのか?
 社員を1名増員できれば、下記のような式が成り立ちます。

 11時間×11名=121時間 ⇒ 121個/日

 しかしながら、人手不足の時代は、
 そう簡単に新規採用ができません。

 有効求人倍率は昨年12月に1.63倍となっており、
 バブル期のピーク(1990年7月)の1.46倍を超えています。

 人手不足倒産が増えてきている時代に、
 増員・新規採用は解決策にはならないのです。

 であれば、最後の手段となる
 単位時間あたりの生産性向上が欠かせません。

 11時間×10名=110時間 ⇒ 120個/日

 つまり、人手不足の時代に働き方改革を実現するには、
 1日当たり110時間で120個生産・販売できるように、
 約9%生産性を向上させなければなりません。

 これを2020年4月までに実現しなければならないのが
 働き方改革の本質なのです。

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 毎日4時間以上、毎晩21時過ぎまで社員に残業をさせている経営者は、
 会社存亡のためにも改革待ったなしの状況であることを
 忘れてはなりません。

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